ハイブリッド給湯機の特徴、導入するメリットーハイブリッドにデメリットってあるの?
ハイブリッド給湯機(器)は、電気とガスの両方をエネルギー源として利用する給湯システムです。このページでは、ハイブリッド給湯機の基本的な仕組みから、省エネ性や環境性能などのメリットについて詳しく解説します。
また、お得な補助金制度や、住まいに合った製品の選び方など、ハイブリッド給湯機を導入する前に知っておきたいポイントも紹介します。給湯器が故障して新品に交換したい方や、毎日の光熱費を節約したい方は、ぜひ参考にしてください。
ハイブリッド給湯機の仕組み
ハイブリッド給湯機は、ヒートポンプ(エコキュート※)とガス給湯器(エコジョーズ)を組み合わせて、エネルギー効率の良さと給湯(暖房)の立ち上がりの良さを両立させた新しい給湯システムです。
エコキュートは、空気中の熱を利用してお湯を沸かすシステムで、とくにCO2排出量の削減に効果的です。エコジョーズはガスを燃焼させて大量のお湯を瞬時に沸かせるため、エネルギーを有効に活用できます。
そして、これら2つの特長を兼ね備えたハイブリッド給湯機は、エネルギーの有効活用による低コスト性、高いエネルギー効率、そして停電や災害時でもお湯が沸かせることがメリットです。非常時・緊急時でも給湯機能が保たれることから、安心して導入できます。
ハイブリッド給湯機の種類
ハイブリッド給湯機には戸建て向けの製品もあれば、集合住宅に対応可能な製品もあります。他にも、製品によっては床暖房や浴室暖房、フルオートでお湯張りや追い焚きができる機能などもあり、その種類は様々です。
以下では、ノーリツが取り扱っているハイブリッド給湯システム※のラインアップを紹介します。
ノーリツのハイブリッド給湯システム「ユコアHYBRID」
ノーリツのユコアHYBRIDは、省エネ性と経済性を兼ね備えたハイブリッド給湯システムです。
環境へ配慮している自然冷媒「R290」の採用※
ユコアHYBRIDは業界で唯一、自然冷媒「R290」を採用したハイブリッド給湯システムです。R290はエネルギー効率が高く、環境へ配慮してた冷媒として注目を集めています。ガス給湯器の瞬発力とヒートポンプのエネルギー効率が組み合わさることで、快適で便利な暮らしを実現します。
ZEH仕様の住まいにも最適※
近年では地球にやさしいZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)仕様の住まいを目指す家庭も増えています。自然冷媒「R290」を採用したユコアHYBRIDは、ZEH仕様の住まいにふさわしい省エネ性を誇ります。
災害時でも安心※
ユコアHYBRIDは電気とガスのうちの片方が停止しても、もう片方のエネルギーを熱源にしてお湯を沸かせます。また、電気とガスの両方が停止しても、太陽光発電システムを導入している家庭なら、ヒートポンプが作動してお湯を作ります。
さらに、断水が発生した場合は、貯湯タンクのお湯を生活用水として活用できるのもユコアHYBRIDの強みです。
余剰電力を賢く活用※
ユコアHYBRIDは太陽光発電の余剰電力を積極的に活用して、ヒートポンプ技術でお湯を貯めるハイブリッド給湯システムです。すでに太陽光発電を導入している家庭なら、ランニングコストを大幅に節約できます。
便利な機能がたくさん
ユコアHYBRIDはエネルギー効率や環境性能に優れているだけでなく、機種によってはさまざまな便利機能も搭載しています。
機能※ | 詳細 | |||||
---|---|---|---|---|---|---|
オゾン水配管クリーン |
浴槽水の排水を検知すると、自動でお風呂の配管に新しいお湯を流したあと、除菌効果のあるオゾン水でさらにキレイに |
|||||
ホッと湯上がりモード |
おふろの設定温度と浴室温度に合わせて、浴室リモコンが退浴タイミングの目安をお知らせ |
|||||
遠隔操作 |
スマホアプリを使って、外出先からでもお湯張りが可能 |
|||||
スマート配管クリーン |
おふろの湯温や気温、入浴人数から配管の汚れを想定して、自動で賢く配管を洗浄 |
機能※ | 詳細 | |||||||||
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オゾン水配管クリーン |
浴槽水の排水を検知すると、自動でお風呂の配管に新しいお湯を流したあと、除菌効果のあるオゾン水でさらにキレイに |
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ホッと湯上がりモード |
おふろの設定温度と浴室温度に合わせて、浴室リモコンが退浴タイミングの目安をお知らせ |
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遠隔操作 |
スマホアプリを使って、外出先からでもお湯張りが可能 |
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スマート配管クリーン |
おふろの湯温や気温、入浴人数から配管の汚れを想定して、自動で賢く配管を洗浄 |
「ユコアHYBRID」シリーズの製品ラインアップ
ハイブリッド給湯システム「ユコアHYBIRD」には3つの機種があります。
シリーズ |
ユコア HYBRID |
ユコア HYBRID-S |
ユコア HYBRID-C |
---|---|---|---|
対応住宅 |
戸建て |
戸建て |
戸建て、集合住宅 |
貯湯タンク容量 |
140L |
130L |
70L |
給湯機能 |
〇 |
〇 |
〇 |
お風呂沸かし機能 |
〇 |
〇 |
〇 |
温水暖房機能(床暖房) |
〇 |
ー |
〇 |
「ユコアHYBRID」
「ユコアHYBRID」は、従来のガス給湯器(LPガス)と比べて年間約786kg-CO2(約53%)、エコキュート(JIS3.3)と比べて年間約142kg-CO2(約17%)の消費量を減らせます※1。従来型給湯器と比較して年間で約79,000円の光熱費を削減できます※2。また、「ユコアHYBRID」は災害時や停電時にも給湯できるよう設計されているため、地震や台風の際も安心です。
「ユコアHYBRID-S」
「ユコアHYBRID-S」は従来の「ユコアHYBRID」よりも本体価格が約10万円安いモデルです。戸建て住宅に住んでいて、「ハイブリッド給湯機を導入したいものの、初期費用はできるだけ安く抑えたい」という方にはおすすめです。
「ユコアHYBRID-C」
「ユコアHYBRID-C」は限られたスペースでも設置できるコンパクトモデルです。バックアップ給湯器も選択可能で、対応製品を選べばおすすめの入浴時間にスマホアプリで通知が届きます。また、お風呂の設定温度と浴室温度から退浴時間の目安をお知らせする機能や、外出先からでもお湯張り操作ができる機能も便利です。
「ユコアHYBRID」を導入したお客様の声
実際に「ユコアHYBRID」を導入したお客様から寄せられた声をご紹介します。
戸建用
(4人家族)
以前は公営住宅で風呂釜で毎日風呂を沸かしていました。
冬は風呂が沸くまで1時間もかかるしガス代もどんと跳ね上がっていました。
今回、家を新築するにあたりオール電化にするか散々迷い電気とガスで沸かすハイブリッド給湯機が災害時に良いと考え又ランニングコストの面でも壁掛け式より安いので決めました。
外出先からでも携帯でお湯が張れるしとても満足しています。
戸建用
(5人家族)
以前のノーリツ(エコジョーズ)からハイブリッドに交換しましたが沸き上がりは早く、ガス代もお得です。浴室乾燥機と浴室暖房機は大変便利で重宝しております。
施設用
施設経営者です。設計士さんにすすめられ購入しました。
たくさんの利用者にも対応でき、かつ熱い湯がすぐでますので助かります。
また、光熱費も圧縮できると聞いてますので、来月の料金が楽しみです。
「ユコアHYBRID」ご使用のお客さまから、環境性能と快適さを高く評価していただいております。
ハイブリッド給湯機のメリット
ハイブリッド給湯機には、従来の給湯器と比べてさまざまなメリットがあります。ここではハイブリッド給湯機を導入することで得られる主なメリットについて解説します。
エネルギー効率が良く光熱費を削減できる
ハイブリッド給湯機を導入する大きなメリットは、ランニングコストの圧縮です。とくに、都市ガスではなくプロパンガスや灯油を使用している家庭では、ハイブリッド給湯機の導入によって年間の光熱費を大幅に削減できます。
たとえばノーリツのユコアHYBRIDの場合、従来型の給湯器(LPガス)と比べると年間およそ79,000円※、省エネ給湯器のエコジョーズと比べても年間およそ59,000万円※の光熱費削減が期待できます。
【試算条件】●年間給湯・保温負荷18.3J ●LPG 料金492 円/㎥ ※ 出典元:石油情報センター(平成28 年度月次平均価格(50㎥)データの単純平均より)●東京電力従量電灯B 契約料金に準拠 ●東京地区、戸建住宅・4人家族
CO2の排出量が少なく環境に配慮
ハイブリッド給湯機のもう一つの大きなメリットは、一次エネルギーの消費とCO2排出を削減できることです。とくにエコキュートは空気の潜熱を利用するため、従来の給湯器に比べてCO2排出量を大幅に削減できます。また、太陽光発電システムと併用すれば、環境性能はさらに高まります。
ノーリツのユコアHYBRIDなら、従来のガス給湯器(LPガス)と比べて年間およそ53%のCO2を削減※できます。
平成28年省エネルギー基準に準拠した「エネルギー消費性能計算プログラム(住宅版)Ver3.1.2」により算出。
年間給湯・保温負荷18.3GJ。電気:電気事業者別排出係数(特定排出者の温室効果ガス排出量算定用)-令和2年度実績-R4.1.7環境省。LPガス:温室効果ガス総排出量算定方法ガイドラインVer1.0平成29年3月環境省・経済産業省公表代替値。
従来型給湯器:モード熱効率78.2%、エコキュート:JIS3.3
お湯の使用量が増えても湯切れしない
従来のエコキュートは夜間にお湯を貯めるため、急な来客などでお湯の使用量が増えると湯切れする可能性があります。とくに、電気料金が高い昼間に湯切れした場合、新たにお湯を沸かすのに電気代がかさんでしまいます。
ハイブリッド給湯機ならお湯を使い切っても、バックアップ給湯器がエコジョーズと同様に瞬発力を発揮してすぐにお湯を沸かせます。お湯の使用量が急に増えても、湯切れの心配はありません。
災害時にガスや電気が停まっても給湯できる
ハイブリッド給湯機は、災害時に非常に役立ちます。ガスと電気の両方をエネルギー源として使用しているため、片方が利用できなくなった場合でも、もう片方で給湯を続けることが可能です。たとえば、地震で電気が停止しても、ガスが使えればすぐにお湯を沸かせます。逆も然りです。また、貯湯タンクを備えているため、災害時や非常時でも、すぐに生活用水が途切れる心配はありません。
省エネ機器の補助金を活用できる
ハイブリッド給湯機は地球環境にやさしいため、国の補助金制度の対象となっています。たとえば経済産業省が実施する「給湯省エネ2024事業」に申請すれば、1台のハイブリッド給湯機を導入するにあたって最大15万円の補助金が支給されます。受け取った補助金を初期費用に充てれば、より少ない負担でハイブリッド給湯機を導入できます。
ノーリツのユコアHYBRIDは、全機種が補助金15万円/台の要件を満たしています。
太陽光発電と組み合わせてよりお得に
太陽光発電や蓄電池とハイブリッド給湯機を組み合わせることで、光熱費をさらに削減ができます。昼間に発電・蓄電された余剰電力をハイブリッド給湯機の運転に利用することで、電力を有効活用し、電気代を圧縮できるのです。
ノーリツの公式ホームページでは、家族構成や設備、光熱費の情報を入力するだけで、お客様の住まいでランニングコストがいくら節約できるのかを簡単に試算できます。ぜひ参考にしてみてください。
ハイブリッド給湯機導入時の注意点ー
ハイブリッドにデメリットってあるの?
ハイブリッド給湯機の導入を検討する際には、いくつかのデメリットも知っておくことが重要です。ここでは主なデメリット、注意点、それらへの対処法を解説します。
導入費用が高め
ハイブリッド給湯機は、その高いエネルギー効率と環境に優しい技術のため、導入費用は高額になりがちです。これは、高度な技術を用いるために必要な製造コストなどが反映されているためです。
しかしながら、ハイブリッド給湯機の節約効果はとても大きく、長期的に見れば導入費用の回収を期待できます。また、経済産業省や国土交通省が提供する補助金制度を活用すれば、初期費用を抑えつつハイブリッド給湯機を導入できます。
広めの設置スペースが必要
一般的に、ハイブリッド給湯機はガス給湯器と比較して、広い(大きい)設置スペースが必要になります。これは、複数のユニットを組み合わせる必要があるためです。その場合、限られたスペースでも設置できるコンパクトモデル「ユコアHYBRID-C」を選択することが解決策になるかもしれません。この機種は、家族構成や必要な機能にあわせて、バックアップ熱源機を組み合わせることができる点も魅力です。
コンパクトモデルを選ぶほかにも、ユニットをL字型に設置するといった工夫で解決できることもあります。住宅の新築やリフォームの設計段階、給湯システムの新設や交換を検討される際は、ぜひご相談ください。
家庭(家族構成)によっては節約効果を得にくい
ハイブリッド給湯機は、大量のお湯を使用したり床暖房を長時間使用したりなど、光熱費が元々大きい家庭ほど節約効果が大きくなります。そのため、家族の人数が少ない、自宅で過ごす時間が短いといったご家庭の場合、導入費用を回収するまでに時間がかかるかもしれません。この場合も、コンパクトモデル「ユコアHYBRID-C」を選択することで解決できるかもしれません。
なお、ガス給湯器を使用している家庭の場合、供給されているガスが都市ガスとLPガスのどちらを燃料(熱源)に使用しているかで、ハイブリッド給湯機の導入によって得られる節約効果は異なります。
ハイブリッド給湯機の導入前に考慮すべきこと
ハイブリッド給湯機の導入を検討する際は、お得な補助金制度を活用するのがおすすめです。あわせて、自分の住まいにあった給湯器の選び方も知っておきましょう。
補助金(助成金)を活用する
国や地方自治体による補助金制度を利用することは、ハイブリッド給湯機の導入コストを大幅に削減できるため、非常に重要です。これらの補助金は、高効率な給湯器の普及を促進し、エネルギー効率の向上とCO2排出量の削減を目的としています。たとえば、給湯省エネ2024事業では、高効率のハイブリッド給湯機の導入に対して最大15万円の補助が提供されています。
最適なハイブリッド給湯機を選ぶ
ハイブリッド給湯機を選ぶ際には、家庭のライフスタイルや利用状況に合った最適なモデルを選ぶことが重要です。どのタイプを選ぶかによって、利便性やコスト効率が大きく変わってきます。
大容量タイプか、コンパクトタイプか
ハイブリッド給湯機には大容量タイプとコンパクトタイプがあります。大容量タイプは140Lから160L程度のモデルを指します。家族が多い世帯や、頻繁に大量のお湯を使用する家庭におすすめです。ただし、大容量タイプは設置場所の幅が大きくなるため、十分なスペースを確保する必要があります。
コンパクトタイプは50Lから70L程度のモデルを指します。給湯器の設置場所が限られている家庭や、お湯の使用量が少ない家庭におすすめです。
「給湯・追い焚き」か、「給湯・追い焚き+温水式暖房」か
ハイブリッド給湯機を選ぶ際には、ただお湯を沸かすことだけでなく、温水式暖房機能を利用するかどうかも考えたいところです。
給湯機能に加えて温水式暖房機能を備えたモデルでは、ガスと電気のハイブリッド給湯システムを使用し、暖房の開始時はガスの瞬発力で一気に暖め、保温はエネルギー効率が高いヒートポンプで行うことで、省エネ性能を高めています。とくに、新築やリノベーションを前提とされているのであれば、温水式暖房機能を導入することで家全体の快適さと省エネルギーを両立できるようになります。